ものをつくる時に、自分は一体何をつくるのかを考える。
もののかたちをつくるのか?
ものを美しく装飾するのか?
ものに機能を込めるのか?
色々な切り口があるが、
「もののあり方をつくる」というのも、ひとつの答えだと思う。
たとえば、栃木県の特産物のひとつに大谷石がある。
決められたサイズに切り出され、古くから民家の塀や石蔵の壁に使われてきた。
現代では薄く加工したものを内装仕上材として使われているが、
石塀や石蔵として頻繁に使われていた時代と比較すると需要は少なくなっている。
最近は、需要が減ってしまった大谷石の新たな活用方法として、
新たな売り出し方が模索されている。
オブジェやストリートファニチャー、照明器具、インテリア雑貨など、
様々な提案がなされ、実際に商品化されているものも多いが、
残念ながら、スマッシュヒットとは言いがたい。
そんな中、大谷石の素晴らしいデザインに偶然出会うことができた。
出会った場所は、原宿のkurkkuという雑貨店。
そこで見た大谷石は、凝った造形ではなく、照明が内蔵されているわけでもなく、
何の加工も施されていない120mm角の立方体だった。
120mm角の大谷石の立方体は、店内の雑貨コーナーにいくつか置かれていた。
あるものは、CDや本を並べるブックエンドに用いられ、
あるものは、フライヤーが風に飛ばないように重石に置かれ、
またあるものは、古材のテーブルの上に無造作に置かれて、
さらにその上に小さいガラスの花瓶が飾られていた。
店内をくまなく見てみると、一部の商品陳列棚は、
積み重ねられた大谷石の立方体に古材の板を乗せたものだった。
この大谷石は、誰かがデザインしたものなのか、
たまたま、この大きさで存在したものなのか、分からない。
でも、石塀としてつくられた300mm×900mmのサイズでも
内装用につくられた300角・15mm厚のサイズでもなく、
ちょうどいいあんばいの立方体に切り出されたというだけで、
塀でも壁でもない、今までの寸法の大谷石では考えられなかった
様々な機能や、室内装飾としての役割が、使う人のアイデアとして派生したのだ。
これは、造形や装飾や機能をデザインしたものではない。
まぎれもなく、「あり方」がデザインされていた。
その雑貨屋さんの大谷石には値札は付いていなかった。
自分も、こんなふうにものをつくることができたらと、心から思った。
yuyasuzuki















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