




【ロゴ・シンボルマーク】
老舗の信頼と品格を伝える、店舗の“顔”としてのロゴ設計
本プロジェクトでは、ブランドの核となるメインロゴと、象徴的なシンボルマークの2つを制作しました。
それぞれに異なる役割を持たせながら、共通の世界観のもとで統一感のあるビジュアル展開を目指しています。
メインロゴは、老舗の格式と信頼感、そして贈答品としての“特別な一品”であることを端的に伝えるため、筆文字を採用しました。「小京都」とも呼ばれる栃木市の雰囲気に合わせ、江戸的な力強さよりも、京都的な繊細さや“余白の美”を意識。伝統を守りながらも、現代の暮らしや感覚に自然となじむ、やわらかな佇まいを目指しました。
シンボルマークは、うなぎが泳ぐ「巴波川(うずまがわ)」の流れをモチーフに、家紋を思わせる構成でデザイン。和の伝統をベースにしつつ、少し抽象的な表現を加えることで、昔ながらの奥ゆかしさと今らしさの両立を意識しています。
メインロゴとシンボルマークは、シーンに応じて柔軟に使い分けられるよう作成しています。スペースが限られる場面では、シンボルと店舗名・ブランド名がわかるタグラインを組み合わせて、シンプルに展開できるよう設計。伝える内容や場面に合わせて柔軟に使えるよう、実用性と美しさを兼ね備えた構成としています。








【パッケージ】
地域の記憶と縁起を込めた、贈答用パッケージと御朱印企画
パッケージの基調色には伝統色の「浅葱色」を取り入れ、老舗らしさと爽やかさがほどよく調和する印象に。
関東圏の嗜好にあわせて、控えめで上品な佇まいを意識しました。山・川・神社などの栃木らしいモチーフをあしらい、地域の風景をやさしく包むようなデザインに仕上げています。
さらに、かつて“うなぎを神聖なもの”として祀っていた星宮神社と連携し、「開運うなぎ蒲焼」という商品名にちなむ限定御朱印を季節ごとに同封。縁起物としての物語や地域文化への敬意が、贈る方にも受け取る方にもそっと伝わることを願っています。




【リーフレット・販促チラシ】
顧客・流通それぞれに最適化した、伝え方の設計
顧客向けには「贈答用うなぎ」の魅力を上品に伝える”リーフレット”を、バイヤー向けにはひと目で伝わる”販促チラシ”を制作しました。前者では「縁起物としての価値」を丁寧に紹介し、後者では「老舗・炭火焼・蒲焼」といったキーワードでわかりやすく訴求。目的ごとに表現のバランスを調整することで、より広い層への展開がを意識しています。
文化が味になる。老舗のリブランディングは、まちの物語を継ぐこと。
むさしやさんのリブランディングは、「美味しい」や「老舗らしい」といった枠を超えて、「このまちの文化をどう未来に渡すか」という問いを共有するプロジェクトでした。単なる商品開発ではなく、贈り物としての記憶や体験までを設計する。それが、このプロジェクトで一番大切にしたかったことです。