県内外から訪れた人がひと息つける場所づくり
大谷町には大谷石資料館を中心に年間約40万人の観光客が県外から訪れます。大谷石採掘場跡の壮大な地下空間は大きな観光資源となっていますが、カフェやレストランなどが少ない為、長時間の滞在には向きませんでした。そこで、県内外から大谷を訪れた人がひと息つける場所を創り、滞在時間を延ばすことで大谷の魅力をより深く知ってもらいお土産を買うなどして楽しんでもらおうというアイデアから生まれ、ベーカリーレストランというコンセプトへとつながりました。
FDには、店舗ブランドロゴマークをはじめとしたビジュアルのデザイン、店頭のポスターやサインデザイン、メニュー写真撮影とメニューデザイン、広告ツール類のデザインなどを依頼しました。
「大谷」というコトバ自体を知ってもらうために
ネーミングには新たな価値、標準を打ち出すような存在になるという意味も込めて「Standard」を入れました。今ではパンはコンビニやスーパーなど、どこでも手に入りますが、今まで私たちが食べてきたパンとは一線を画するパンを作るベーカリーになるという想いを込めています。
TheStandardBakersの主なターゲットのひとつは観光客。「大谷」という言葉自体を知らない人にも情報を届ける必要があります。また、同時に地元の人々に知ってもらい、愛される店でなくてはなりません。
そこで店舗着工時からのティザー広告、オープン日や詳細が決定した頃の告知広告、オープン直前〜オープン後の集客広告と複数回に分けて、それぞれ広告ターゲットに応じてビジュアルを変えたデザインでプロモーションを展開しました。
初期プロモーションの段階で、店舗オーナー側ではFaceBookやInstagramを中心にSNSを通してリノベーションの状況やそこに関わる人々の紹介、TheStandardBakersに込めた想いの発信を行い、同時に地元新聞への掲載など、オープン前から広く注目を集めました。
作り手として全てに妥協しない誇りを
店の顔にも成り得るロゴマーク。ロゴタイプはアメリカのタイプデザイナー、フレデリック・ガウディが1901年に手がけたCOOPERPLATE GOTHICを使用。歴史と格式を表現する書体でTheStandardBakersの作る料理の品質や、全てに妥協しない作り手の矜持を象徴しています。また、西洋式アンティークのめん棒をモチーフにしたイラストを入れることで、ひとの手から作られていることを連想するように暗示しています。
全ての行程に誤魔化しがないという想いを
ティザー広告では、TheStandardBakersの特徴である「パンの生地や製法一つ一つに徹底してこだわっている」ということを伝えるため、ブランドビジュアルにはパンや料理を見せずに、パン生地を手で捏ねる写真を使った、映画の予告のような広告を作成しました。一見すると、なにを作ってるか伝わりにくいように思われますが、素材と真剣に向き合い、全ての行程に誤魔化しがないという想いをデザインに込めて、感度が高く新しいものを求めている人、質の高さを喜んで貰える人といったアーリーアダプター(早期採用者)に届く広告にしました。
オープン3ヶ月前にはより料理のビジュアルや店舗イメージを加えて、より具体的にどんな店ができるのかを伝える広告に差し替え、期待値を高めます。
魅力溢れる瞬間をキービジュアルに
オープン直前には完成した店舗で写真撮影を行い、実際に提供する料理を囲んだパーティーシーンのビジュアルなどを使い、メニュー情報なども記載して顧客の来店行動を促す内容にしました。