それはまるで、ひと皿の料理のようなパン。

project infoそれはまるで、ひと皿の料理のようなパン。

  • 福田屋百貨店

    https://fukudaya.online/pages/three-owls
  • 3匹のふくろうは2023年10月に福田屋百貨店鹿沼店にオープンしたベーカリーです。福田屋百貨店の顧客層である高齢者、ファミリー層、お子さまの三世代みんなが満足して笑顔になれるような、日常のパンをコンセプトとして、福田屋百貨店のバイヤーが全国各地から見つけてきた美味しい果物や野菜、魚介や肉を使って具だくさんのパンを毎日焼いています

  • Client DATA

    • 地域/栃木県鹿沼市
    • 業種/小売業(百貨店・ショッピングセンター運営)
    • 制作期間/2023年7月〜
  • DELIVERED

  • ブランディング, スタートアップ, 伴走支援(ブランドコンサル), 商品ブランディング, グラフィック, ロゴデザイン(VI、ロゴのみ), ツールデザイン(名刺、封筒、紙袋), 販促物デザイン(チラシ、リーフレット、ポスター), サインデザイン, パッケージデザイン, 商品写真, 建築写真

  1. 1. 現状

    福田屋百貨店鹿沼店は、創業90年の歴史を持つ地域密着型の百貨店として、長年にわたり高齢者層を中心に厚い支持を集めてきました。全国から選び抜かれた高品質な生鮮食品を取り扱い、品質重視の買い物体験が地域に根付いている一方で、顧客層の固定化・高齢化が進行しつつありました。また、既存のベーカリーが撤退したことで売場に空きスペースが生まれたことも重なり、新たな来店動機となる魅力的なコンテンツの導入が急務となっていました。 FRONT DESIGNは、そうした状況を受け、百貨店の仕入力を活かした新ベーカリープロジェクトに企画段階から参画。

  2. 2.課題

    新設されるベーカリーが単なる“売場の拡充”にとどまらず、百貨店全体の来店動機に結びつく存在となることが求められていました。特に、鹿沼市に移住する若年ファミリー層の増加を受け、これまでの高齢者中心の客層に加えて、幅広い世代との接点を新たに創出する必要がありました。パンという商材の汎用性を活かしながらも、単なる商品提供ではなく、「ブランドとして選ばれる理由」を構築することが課題でした。

  3. 3.解決

    FRONT DESIGNでは、「3世代で楽しめるパン屋」というコンセプトを軸に、食と物語体験を融合させた新ブランド「3匹のふくろう」を企画・開発しました。 子ども・親・祖父母の3世代が一緒に楽しめるパンを提供することを目的に、福田屋百貨店のテーマであるフクロウをモチーフに、世代ごとのキャラクターを制作。キャラクターに物語性を持たせることで、店舗デザインや商品展開、SNS・WEBでの発信に一貫した世界観を築き、「また会いたくなる愛着」を育むブランド体験を目指しています。 パンの商品開発では、「具材の主役化」や「視覚的インパクト」を意識しながら、福田屋百貨店が誇る高品質な食材を活かし、子ども・親・祖父母の3世代それぞれが楽しめるパンづくりを追求。商品単体でもSNS映えと話題性を兼ね備えたラインナップを展開しています。 空間デザイン、販促物、SNS展開に至るまで世界観を統一することで、「誰と、どんな気持ちで訪れるか」を大切にした来店体験を創出しました。これにより、これまで大切にしてきた高齢者層に加えて、新たにファミリー層との継続的な接点も生まれ、百貨店全体への回遊性と支持の広がりにつながっています。

【VI・キャラクター】

お客様との関係を育む、キャラクター設計。

単なる装飾ではなく、来店体験のきっかけとなる存在としてキャラクターとストーリーを位置づけました。
「3匹のふくろう」では、百貨店の象徴であるフクロウをモチーフに、子ども・親・祖父母の3世代を象徴するキャラクターと物語を提案。目的は、高齢化した既存顧客層に加えて、新たにファミリー層にもブランドを届けること。
そのために、誰にでも親しみやすく、思わず誰かに話したくなるような世界観を構築しています。
キャラクターそれぞれに性格や役割を与えたオリジナルストーリーを制作し、その物語を軸に店舗デザインや商品展開を展開。これにより「お子さまが物語をみて喜ぶ」「親御さんが写真を撮りたくなる」「贈り物として選びたくなる」といった行動を後押しし、ブランドへの関心や来店モチベーションの向上に寄与しています。ストーリーはSNSやウェブ上でも発信され、ブランドへの愛着を育てる接点として機能しています。

【販促物・グラフィックツール】

販促物を通じて、キャラクターとともにブランドの物語が広がる。

キャラクターは、紙袋や包装紙、パッケージ、ショップカードなどのグラフィックツールにも幅広く展開。
パンを誰かに贈るシーンでも自然とキャラクターが目に入り、ブランドの認知が広がるように設計されています。
ビジュアルは、パンの美しさや素材の魅力がしっかり伝わるようにデザインし、「贈りたくなる」「選びたくなる」「誰かに話したくなる」体験を引き出すことを目指しました。また、店舗の外でも世界観が伝わるよう、ポスターやチラシなども含めて一貫したアートディレクションを行なっています。

【店舗デザイン】

ブランドの記憶を残す空間デザイン

空間コンセプトは“森の中のパン屋さん”。入り口には木と葉をモチーフにしたゲートを設け、内部には大きな切り株型の陳列カウンター、木の葉と電球のガーランドなどを配しています。まるで物語の中に入ったかのような体験設計により、パンを選ぶこと自体が「共有できる時間」になる空間となっています。
また、隣接する休憩スペースもリニューアルされ、ファミリーがゆっくりと時間を過ごせる場として機能。
買い物+飲食+体験という複合的な満足を提供しています。

『3匹のふくろう』は、単なるベーカリーの立ち上げに留まらず、百貨店の未来に向けた顧客基盤の再構築を図る戦略的ブランドです。「高品質な食材 × キャラクター × ストーリー × 空間体験」という要素を一貫させることで、福田屋百貨店全体の来店動機を生み出し、ファミリー層の継続的な来店導線へと繋がっています。

その他の事例紹介

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